青蝶夢 *Ⅰ*
「俺、そろそろ
 イブキの部屋に戻るわ
 
 朝から、お前の事で
 イブキに怒られるのは
 勘弁
 
 って、勝手に来といて
 言う台詞じゃないな」

部屋を出て行こうとする
貴方に、私は問いかけた。

「ヨシノさん
 今の自分を、変えようとは
 思わないんですか?」

「変える・・・
 無理、無理
 
 俺は、変わらないさ
 
 それに、案外
 このままが性に合ってる」

ドアに手をかけた貴方は
振り返り、告げる。

「あっ、そうだ
 ヒイロ
 
 また今晩も
 寄せてもらうから
 鍵、かけんなよ

 約束、じゃあな」
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