青蝶夢 *Ⅰ*
「昨夜は、眠れた?」

「はい・・・」

食卓の椅子に座る
芳野さんは、テーブルに
左肘をついて、手で
頭を支えて、欠伸をしている。

「おはよう」

芳野さんは、今朝の事
何も無かったように、私に
朝の挨拶をする。

そして、私に触れた唇が
カップに触れる。

私の胸、ドキドキする。

「おっ、はようございます」

動揺して、おかしな声。

恥ずかしい・・・

「朝飯、食ったら
 用意して出かけようか?

 ヒイロ、朝はパンでいい?」

「いえ、朝は
 何もいらないです」
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