不思議の国のアルス

傷心アルス



しばらく様子を
見ていると、
結構な図体をした
二足歩行の狼が
現れました。

「やっぱりあいつか…」

小声でシロンは
言います。

「そんなにヤバイのか?」

アルスもシロンに
あわせて小声で
訊きます。

「この辺を取り仕切っている
獣系の魔獣、ウルフだ。
鼻も勘も良い。居場所が
バレるのは時間の問題だな」

「…強いのか?」

「…俺より強い」


アルスはごくりと
唾を飲みました。



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