導花線の花種
なもんで花のあとでも、組頭の家のお嬢様であるヒロインと、勘定組の家のしかも部屋住みの孫四郎とでは、身分がもう全っっっ然違います。

孫四郎が養子縁組みで代々奏者番を務める家の当主となれたのも、物凄い大チャンスだったということになります。

それでも用人の藤井勘解由のほうが身分は上で、組頭のヒロインの父親のほうが更に身分は上です。


恋口シリーズでは、外伝「かげろうの殺しかた」に登場する物頭(=足軽大将、番頭や町奉行が兼務したりもする)のお嬢様である加那と隼人の関係が、花のあとのヒロインと孫四郎の関係みたいな感じですね。

剣の腕を見込まれた孫四郎の養子縁組も凄いチャンスですが、恋口でも剣の腕を見込まれて勘定組の平侍の家から突然物頭に抜擢された秋山隼人などはもう、名家のボンボンのワガママで有り得ない大出世を果たしたことになります(^^;)

ま、そこはフィクションですからっ♪


恋口では、「先法御三家」という客分扱いの家が存在しているという部分で非常に特殊な…とある実在の藩(気づかれている人にはもはやバレバレだと思いますが;;)をモデルにして書いていますので、色々他の藩とは違いがあります。

うーん、藤沢作品と比べるなんて恐れ多いですが(役職だけなんで許して下さいorz)、恋口を書くために一生懸命勉強した甲斐あってか、花のあとではこんな風に登場する役職を自分の作品と比較して、これまではできなかった楽しみ方もしてみたり。

作品を通して自分の好きなものを伝えたいという思いは常にあるので、恋口を読んで下さっている方にとっても、時代劇が身近になっていたら嬉しいなあ、と密かに思っています(^^)
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