導花線の花種
熱帯魚ショップというのはですね、お魚を売るだけではなくて、お魚や両生類や爬虫類の生き餌も売ってるワケでして、

羽が生える前の生きたコオロギさんというのは、アロワナとかベルツノガエルとか、トッケイとか…そういうペットを飼ってる人にとっては、大事なペットのご飯なんですね~♪

で、納品されてくる大小サイズの入り交じった安いコオロギさんたちをですね、サイズ別に分けて値段をつけてご飯として売るんですが、この選別は当然バイトの仕事。

どうやって選別するかというと……大量のコオロギ(当然生きてるやつ)を、ざぱあっと衣装ケースやなんかにまとめてぶち込んで、

うぞうぞわさわさ動いている、何百というコオロギの大群の中に手を突っ込んで、殺さないように優しく素手で捕まえて分けていくんです。

凄まじい図に見えるのは、初めてこの作業を任された時の最初の五分間だけで。


一瞬で感覚がマヒして慣れます。

恐ろしいことに(笑)。


手を突っ込むと腕を伝って上ってくるし、しかもコオロギって噛みついてくるし……!

雑食で、共食いも平気でやるような奴らですから、顎の力も強いこと♪

作業が終わる頃には、虫さされならぬ、虫噛まれの赤い跡が残る腕になってました。

なもんで、こういう作業が駄目な方は、まあ熱帯魚ショップのバイトはやめておいたが吉です(; ̄д ̄)マジで、下手したら夢に見ますんで(笑)。


コオロギったらもう、そういう嫌な思い出たっぷりな虫なワケです。

ちなみに導花線は水槽が趣味ですが、現在、コオロギを餌にするようなお魚は飼っていないので…正真正銘、エサが脱走したとかではなくて、どっかから入り込んだ奴ですね。


というワケで……奴を取り逃がした導花線は、大量発生している可能性に備えてさっそくゴキブリ用の毒団子を買いに行こうと決心したのでした(泣)。
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