【長】はるいろ
【1】一一隣の住人
一目惚れ!?
一一春
別れと出会いの季節。
数週間前に中学を卒業したと思ったら、もう明日は高校の入学式。
期待と希望に満ち溢れたあたしの高校生活が、明日から始まると思うと、いてもたってもいられない。
「ちょっとハル!あんたのせいで片付けが終わらないわよ」
「あっごめん、お姉ちゃん…」
「ったくも〜。あんたがあたしと2人で暮らすとか言い始めるからこんなことになってるんだからね?
ちゃんと準備しないんだったら、追い出すわよ?」
「わー、ちゃんとやります!!」
高校入学を控えた今日。
あたしはお姉ちゃんと2人で暮らし始める。
理由は単純明確。
お姉ちゃんが住んでるマンションは、あたしが通う高校の近くだから。
てゆうのは、口実で。
「ったくも〜。いくら隣の加原さんに一目惚れしたからって、ここまでするかな」
ブツブツ文句を言うお姉ちゃんの言葉に、あたしは胸を踊らせた。
お姉ちゃんの部屋の隣に住む、加原さんに、あたしは一目惚れをしてしまった。
そんな勢いで、あたしはお姉ちゃんに頼み込んで、ここに住まわせてもらうことになったのだ。