【長】はるいろ
笑いつづける彼を見ていたら、なんだか恥ずかしくなって、あたしはきちんと座り直した。
「あんたは、面白いね」
「そっそんなに面白いですか?」
「うん。…気に入った」
ポンッ、とあたしの頭には大きな彼の手が乗った。
そのままあたしの髪をグシャグシャにする。
まるで、あたしの気持ちみたいに。
「出来るもんならしてみろよ。」
「えっ一…?」
「あんたのこと、彼女候補にしてやる」
その言葉を聞いて、あたしは真っ直ぐに彼を見た。
「本当ですか!?」
「あぁ、いいよ。俺は嘘なんてつかないよ」
嬉しさと驚きを混ぜ合わせたような想い。
ドキン…ドキン…、って聞こえるくらい胸が鳴っている。
「まっ、せいぜい頑張れよ、ハル」
「はいっっ!」
あたしは元気よく返事をして、嬉しさのあまりそのまま部屋を飛び出した。