男ごころのうた シーズン2
ある朝、それはやって来た
朝に目覚めると
妻がプレステ3になっていた
ぼくは、本当のことを言えば、どうせゲーム機になるのなら、Wiiがほしかったのだ
だが、となりでは、妻が、まちがいなく、プレステ3になっている
いつ、どのタイミングで、それはおこなわれていたのか、ぼくには気づけなかった
これはぜんぶ、ぼくの責任なのだ
そう思った
潜在的に、Wiiがほしいとねがっていたからかもしれない
いや、ほしくないとねがっていたから、そうなってしまったかもしれない
そもそも変化をのぞんだこと自体が、この不幸な出来事を生んだのだ
むしろなぜ、ぼくではなく、妻なのか!
ぼくはいつまでも、メソメソと、ベッドの上で泣いた
そしたら妻が目覚めて、こう言った
「泣いてないで、とりあえず遊んでみたら」