男ごころのうた シーズン2
ふわふわ
「彼女さんとの出会いは、運命でしたか?」
その場ではぼんやりとしたものが頭の中でただ渦巻いてただけで、はっきりとした明かりが差したわけでもなかった。
「はあ…まあ…そんなところです」
妙に重量感のある殻を割ってみれば、中身は…羽毛?!
「いっしょにいると…なんか面白いので」
軽い言葉だった。心が綿みたいにふわふわした
そのまま家に帰ったら
彼女がカレーを作って待っていた。
「おかえり」
それを見たらふわふわした綿から
急になんかがしみ出してきて
ぼくは思わず抱きついた
「うぅ〜、このカレーは、かれぇぞぉ〜」
そんな彼女の言葉を聞きながら
ああ、ぼくはずっとこの人といっしょにいるんだな、その他の未来をぜんぜん思い描けないな、と思った
食べたカレーも
ふわふわ
ふわふわ
なのだった