桜華妖爛 -時に逆らい続けた少女-
■01 桜花咲く頃
1:桜のような娘
「・・・・・・夜桜もいいもんだな」
京にある、新選組屯所。
刻は夜。
満開の桜が儚げに庭で舞っていた。
「まぁ、確かに。どこか切ないですけどね」
そんな中庭で、副長土方歳三と一番組組長沖田総司は休んでいた。
今日は不逞浪士の残党を片付け回っていて、他の隊士たちは床についていた。
・・・・・・はず、だった。
「・・・何か物音が」
「うるせぇな・・・」
ドタドタと、深夜らしからぬ音が屯所中に響いている。
「土方さん!!門に何かが!!!」
そう、二番組組長永倉新八が走ってきた。
後ろには六番組組長原田左之助も付いてきている。
「・・・門に?」
「こんな時間に来客ですかね?」
土方は目を細め、「こっちだ!!」という新八についていった。