桜華妖爛 -時に逆らい続けた少女-
唖然とする幹部集団。
屯所に女なんて、総司の姉ミツ以外来た事が無いといっても過言ではないだろう。
その女がすやすやと寝息を立て眠っているのだ。
唖然し、誰もが口を開かなかった。
そして、しばらくして。
口を開いたのは近藤さんだった。
「とりあえず、ここで集まっていたら騒ぎになる。とりあえず八木邸へ運ぼう」
八木邸は幹部集団がお世話になっていて、隊士たちは前川邸で生活している。
「トシ、運んでくれるか」
「了解」
・・・年端も行かない女だな、コイツ。
軽く抱きかかえると、まるで人ではないみたいに軽かった。
「・・・お前は、誰なんだよ・・・。全く」
俺はふぅ、と息をつきながら彼女を八木邸へ運んでいった。