禁煙する倭ノ宮桔梗と泣き出さない〝たたりもっけ〟
「こーらん、これとこれとこれ、あとこれとこれえでいくらー?」

「130円でございます」

「すげーっ、計算はえーっ!」

「こーらん、これとあれだといくらになるのー?」

「70円でございます」

「じゃあその9835765倍はー?」

「688,503,550円でございます」

「え?」

「マジで?」

「チョウってなに?」

「香蘭さん、そこはマジで答えなくてもいいんですよ」

「さようでございますか」

あれは、幽霊というのでしょうか。なにせ、死んだはずのともきくんが、空間に引き出しでもあったようにポンと現れたのですから。

ともきくんを見た土屋夫人の歓喜は、天使を目撃したようでした。わなないてさえいたと思います。

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