sir.happiness
フタリゴト
少し古くなった木目のアラいテーブルを挟んで向かい合わせ。
カーテンがうようよ動き、ぼくらを少しずつ蝕んでいく。
もう長い間こうしていて、そろそろ疲れた。
「ねぇ、あなた今、幸せ?」
いつもより霞んだ声できみはいう。
ああ幸せだとも。きみとこうして向かいあわせ、それが何よりの幸せ。
きみがぼくの心を悟ると不満げな顔をした。目の前の酒をぐいと飲んで、机に突っ伏し、きみはグラス越しに僕を睨む。
きみばかりが、いつも意見を主張するけど、ぼくだって不満はある。
例えば―――――