sir.happiness


ぼくは、きみに作ってもらった大きなお弁当の蓋を自分の膝の上で開ける。


早すぎるだろう。お腹もすいてない。


でも、きみが作ってくれたお弁当を確認したくて、たまらなかった。

欲望をぶつける。

右側の白いご飯の中心に梅干し、左側にはひじきに・・・・・・ぼくもよく知らない食べ物がずらりと並んでいる。


決して綺麗とは言えないが、実に気を遣ってくれている栄養メニューだった。

悪く言っても、シンプル、という一言で終わらしたい。


「いただきます」

無情に響く、ぼくだけの声。
きみがぼくを、知らない時間。
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