それでもずっと信じてた
再会
少しだけ染められた茶色い髪


ばれない程度のメイク


鼻をくすぐる新しい香りのする制服を身にまとい、あたしはこの高校に入学した

「羽月ー」

廊下を歩いていると後ろから名前を呼ばれた。

振り返るとそこには中学校時代3年間同じクラスだった神崎祐がいた。


「あ、祐。おはよー」


「はよ。なんかアレだな。制服きて校内にいるっていうのに実感わかねーな」


「そうだねー」


あたしと祐は並んで教室ヘと向かって歩く。


「あ。」


突然思い出したかのように声をだした。


「…?」


「お前の親からきいたんだけど、今一人暮らしなんだって?」


「あ、うん。」


そう。あたしは今一人暮らしをしている。
受験まえ、急にお父さんが転勤することになった。

でも、どうしてもこの高校に入らなくちゃいけない理由があって、必死に説得した。

お父さんとお母さんは不満げな顔をしながらもOKしてくれた。


「いーよな、俺も一人暮らししてぇよ…」


祐はそうつぶやいてため息をこぼした。


「いーでしょー!ほんとよかったよ☆」


あたしは満面の笑みで言った。


「てかなんでそこまでしてこの高校にしたわけ?」

眉をひそめてあたしに言う

「それは…」


あたしの首元で指輪がキラリと光った。
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