ゆめ
「最近、いやな夢をみるんだ」


男は、眉間にしわを寄せながら言った。


「どんな夢なんだ?」

「夢の中でも働いているんだ」

「エリートの宿命か?なにも夢の中でまで働かなくったっていいだろう」

「おれだって、できるものならゆっくり休みたいと思ってる。仕事をわすれてな」

「それができないのが現実なんだぜ」

「わかってる」


バーテンは、自分で作った特製のカクテルを男の前にさしだした。


「今日は疲れてそうだから、そいつはサービスだ。元気だせよ。そのうち休めるようになるさ」

「ありがとう」


男は薄水色のカクテルをくいっと飲んだ。
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