晴れのちキミとわたし

そんな紗綾とは、対照的に千晴はもうその時のことは忘れたようでそのあとに彼氏も出来た。


あの時のことを引きずっているのは紗綾だけ。


そんな紗綾を一番心配しているのが千晴だ。

早く好きな人でも出来ないかと大学に在学中は何度か紗綾を合コンに誘ってみたものの、「行きたくない」の一点張り。


最終的には千晴も無理矢理紗綾を誘うのは諦めたのだ。



「紗綾、日誌書き終わったら由美子先生がご飯食べに行こうって♪」

黙々と日誌を書いていた手を止めて、千晴の方を見た。

「わ~、やったぁ。後ちょっとで終わるから千晴は先に着替えてきて。」

まだジャージにエプロンをつけた姿の千晴に言った。


由美子先生と食事なんて嬉しい。

人とすぐに打ち解けられない紗綾だけにこうやって声をかけてくれる由美子の優しさが嬉しいのだ。




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