晴れのちキミとわたし

ルンルン気分で日誌を書き進めていると紗綾はどこからか視線を感じた。


顔を上げてその視線に目をやると紗綾の机を挟んだ向かいの席にアキヒロが座っていた。


いつからそうやって見ていたのか全く気がつかなかった。

もし気がついていたら顔なんてあげなかっただろう。


あとに残るのは後悔の念だけ。


「字、すごくキレイだね。」

じーっと紗綾の日誌を見つめて何の前触れもなくアキヒロがそう呟いた。


「そっ、そんなことないですよ。」


ここで、素直にありがとうを言えない自分が嫌だ。

高城先生にどう思われたって別になんとも思わないけど、こんなんじゃダメだぁ。


沈む気持ちをごまかすように紗綾は日誌の続きを書くのに集中した。


「すごく頑張ってたね。初めてのことばっかりで疲れただろ?」

不意に投げ掛けられた優しい言葉。




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