晴れのちキミとわたし

由美子はその返事を聞くと嬉しそうにして、家に電話をしてくると言って部屋をあとにした。


残ったのは紗綾と千晴。

千晴のジトーッとした視線に気づきながらも無言で紗綾は着替えを始めた。


「何か隠してるでしょ?」

ビクッとあからさまに驚いてしまった。


自分から墓穴を掘ってしまったのだ。


「なんでも「なんでもないわけないよね?」

紗綾の否定に被せるように千晴が追い詰めていく。


うぅ~、こういうときの千晴って恐すぎだよ。

なんて言い訳しよ…。
本当のことは言えない。


「言いたくないなら聞かないよ。でも、わたしはいつも紗綾の味方だからね」

紗綾の心情を察知し、千晴はそう声をかけた。


ありがとう。

「うん」

そういってギュッと握りしめた拳。

さっきとは違う優しさを詰め込んだ拳は紗綾に頑張る勇気をくれた。




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