晴れのちキミとわたし

何も言えずにたじろぐ紗綾。


その姿は美月から見たらさぞ滑稽そのものだったことだろう。

「私、何か紗綾先生の気に触ること言っちゃったのかなって…謝りたいと思って。ごめんなさい」



目にいっぱい涙を溜めて謝って来る美月に紗綾は呆然とした。


「紗綾…?」

紗綾には心配そうに見つめて来る千晴の目が責めているようにさえ思えた。



私はしてないよ。
私じゃなくて美月先生がっ…。



心の中の本音とは裏腹に真実が紗綾の口から説明されることはなかった。


美月は、紗綾の心にずっしりと重い闇を残してアキヒロを連れて部屋を出て行った。


アキヒロは、最後まで心配そうな瞳を紗綾に向けていたが、放心した紗綾を見て今はそっとしておくことにした。


だが、この時紗綾に美月との間になにがあったのか話を聞いておけばよかったと悔やむのはもう少し先のこと。




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