向日葵に恋をする。


タイムリミットは30日。
遅くとも30日後、俺はこの世にいないだろう。




いつからだったか。
俺が生きることを諦めたのは。

ああ、きっとあの時だ。
五年前。
母が俺を残して死んだとき。
泣けども泣けども母は帰って来なかった。
いや、そんなことくらい分かっていた。
誰かに助けて欲しかったのだ。
手を、差しのべて欲しかったのだ。
絶望に似た悲しみを分かって、抱き締めてくれる人を待っていたんだ。
結局、
そんな人は現れなかった。
ひとつ、
心が死んだ。


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