恋する雨
そのまま歩いて、あたしたちはクラスのお馬鹿な男子の話とかをしながら歩いてた
と、思う・・・。
だって、歩きながら、ふと思っちゃったんだもん。
――あれ、木村って、こんなに背ぇ高かったっけ?
って・・・。
そういえば、傘を持つ腕が少しキツくて。
たまにぶつかる、ごつごつとした肩がちょっとイタくて。
いや、違う。
痛いのは、ぶつかった肩じゃなくて、肩なんかじゃなくって
ぎゅっと握られた心臓だってコトに
気づいちゃったんだ。
肩がぶつかる度に、悲鳴を上げる心臓
――何、あたし
木村を、意識しちゃってんの?――