恋する雨
『ほら、これで拭けるとこ拭いちゃいなさい。』
「・・・」
『早く!
じゃないと、風邪ひくわよ?』
「・・・さんきゅ。」
目の前に居るのは猫だったけど、隣に居る木村は、なんだか犬みたいで、ちょっと可愛い。
思わず笑ってしまいそうになるのを必死で堪えた。
・・・そういえば、
『ねぇ、木村ん家って、コンビニの近くだったっけ?』
「そうだけど・・・。
なんで皆川知ってんの?」
『なんかクラスの誰かが言ってるの聞いたことあるなーって。
良かった、合ってた。』
「・・・ふーん。」
ちょっとそっぽ向いてる木村が不思議だったけど、気にしなかった。