お嬢様の悩み事
〜聡一の回想〜
「西棟から火がっ!!?」
「早く非難をっ!!!」
みんなの叫び声が聞こえるーー。
見る見るうちに火が家全体を囲む。
そのうち消防団が来て、火を消す
火は勢いをますばかり…
ふと、父さまと母さまの姿がどこにも見えないことに気づく。
「父さまと母さまは…?」
「…っ!」
「だんな様と奥様はまだ…」
(何で、どうして…!!?)
「早く助けてよぉ」
「何で、父さまと母さまが」
「ねぇ…!!」
「…っ」
「…父さま!!母さまーー!!!」
ヒックヒック
「父さま…母さま……」
「…会いたいよ…僕を1人しないで…」
その時、僕に光が差した気がした…。
「聡一君」
…優しい声
「うちで、一緒に暮らしましょ」
伸ばされ手
「…っ」
「僕は両親を家事で失い、父さまと母さまの親友だったしずなの両親に引き取られました」
「……うん…」
「僕は…一生だんな様と奥様のそばで働かせていただこう思っております」