HAPPY
家に戻って早速夕飯を作る。今夜はハンバーグの予定だ。
一つずつ丁寧に作っていく。
夕飯の支度が出来て、お風呂を沸かし終わると携帯電話が鳴った。
ディスプレイを見ると和也さんの名前が映っている。
「もしもし、花です!!」
通話ボタンを押して出ると元気だなお前は、と彼が呟く。
「悪いんだけど、今夜は遅くなりそうなんだ。だから先に飯食っててくれ」
言われた瞬間、胸の辺りが少し痛かった。
「わかりました~。お仕事頑張ってくださいね」
「ああ。わかった」
プツン、と電話が切れ携帯を閉じた。
「お仕事だもん。しょうがないよ…」
こんな些細なことで落ち込む自分が嫌になる。早く帰って来てほしい、早く会いたい、話したい。自分の奥底にある欲求が溢れ出す。
時計を見ると午後7時になるところだった。
私はお風呂の様子を見た後、夕飯の準備を始めた。