スペアミント
高倉翔一
春がすぎ、最近はずっと雨が続いてる。
4人とも同じ大学に見事合格し、高校のとき同様に楽しい毎日を送ってる
ハズ…だった。
あの海にいくまでは。

あれ以来、理沙と話すとき気を使う。
作り笑いをしてしまう。
でも理沙が蒼のこと好きだってことは蒼には言ってない。
蒼にこのこと言ったら4人の関係が崩れそうな気がして。
でも伝えたいことはあった。

「ねぇ蒼。」
「なに?」
蒼と屋上でパンを食べながら蒼に話しかけた。
「俺、理沙あきらめるわ。」
「えっ?!なんで?」
「んーなんとなく。ホントに好きなのかなって思って。」

いや。実際はそんなことは思ってなかった。
ただ傷つくのがいやだった。もう答えがわかってたから。

「ふーん。そっか。まぁ翔ちゃんが決めたなら俺は何も言わないけどね。」
「ありがと。じゃーね」

蒼に伝えたかったのはこれだけ。
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