名前違いのキミへ
二人きりの言い訳
駅に着くともう先に石崎くんはいた。
「意外と遅かったな。どうした?」
今日会ったばっかりの人にどうしたって言われても…。
「ごめん。服とか決めるのに時間かかっちゃって…。」
すると、石崎くんはニヤッと笑った。
「俺と会うためにそんなに真剣に服選んでくれたの?」
「ちっ…違うよ!
こういうの初めてで何着てけばいいか分かんないだけ!」
「ま、いいや。
ほら、行くぞ。」
そう言って、何気なく私の手をつかんでぐいっと引っ張る。
「っきゃ…!!」
な、何!?
石崎くんは私の手を掴んでずんずん引っ張っていく。
「ちょっと!委員会の話は!?」
「嘘。相川に会いたかっただけ。」