ガラスのタンポポ
夏休みに入った。
オトばあは毎日、朝から夕方5時まで施設、おばさんは土日以外仕事なので、奏来にも余裕のある時間がうまれる。
毎日誘うが、家事手伝いを済ませた奏来がオレと会えるのは、たいてい午後からだった。
♪〜♪〜♪
ケータイが鳴るのは奏来からの合図。
「もし?」
『翔ちゃん?もうお手伝いとか終わったんだけど…』
「そっか。外暑いしなぁ…。な、たまに家来ねぇ?」
『翔ちゃん家?』
「うん。誰もいないし、気使わないで来いよ」
『うん…。じゃあ今から行くね?』