ガラスのタンポポ
「…んっ…!翔ちゃ…ぁ…ん…っ…っ…」


奏来は泣いていた。


寝転んだまま大粒の涙を長い髪へ流す。


オレが泣かした。


オレが奏来を揺さぶった。


拒否の涙かもしれない。


それでも愛しくて、オレはそっと奏来を抱き寄せた。


「奏来、わかってくれよ。信じてくれよ。委ねてくれよ」


耳元で囁くと、奏来は泣きながら何度も頷く。


「わかってる…。わかってるんだけど、わからないの…。信じるって、何?委ねるって、何?それでも信じたり愛した人が突然死んじゃったりしたら、後に残るものって、何?ソラは怖くて…怖くて…。聖ちゃんも翔ちゃんも近くにいる分だけ怖いの…。どうしようもないの…」
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