ガラスのタンポポ
「眠ってないんだろ?」


「…うん。おばあちゃんが苦しそうで…」


しばらくお互い何も言わず、オトばあの乱れた呼吸をただ見ているしかなかった。


流動食が運ばれてきたけどほとんど食べられず、食後の吸入を手伝って病室を後にした。


バスに揺られ、奏来の家に上がろうか迷ったけど、一緒について行く事にした。


帰れば奏来はおばさんの残した家事をやり、休む事をしないだろう。


少しでも早く眠らせてやりたかった。


待たせてオレは、コンビニでサンドイッチを買い、食欲がないと言う奏来に、ちょっと強引に食べさせたが、ほんの一切れでやめてしまった。
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