ガラスのタンポポ
そろそろ昼休みが終わろうとしているところ、担任の三上が奏来の机へ駆け寄って来た。


「内海、今すぐ病院に行きなさい」


「…え?」


「おばあさんが…危篤らしい」


奏来は飲みかけのコーヒー牛乳を置き、鞄も待たずに玄関へ走った。


オレも三上も奏来を追う。


「内海!学校前にタクシー呼んでおいた。それに乗って行け!」


「先生、オレも付き添うから!」


それだけ言って、すぐにタクシーに乗り込んだ。


車の中で真之に電話し、オレ達の鞄を頼んで。


気ばかりが焦り、目の前の赤信号がウザくて仕方ない。


早く着け、間に合ってくれ。


一言でもいいからオトばあに、奏来に何か言ってほしい。


頼むから間に合ってくれ…!
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