ガラスのタンポポ
それからの時間は早かった。
葬儀屋が来てマニュアル通りの段取りを済ませ、親戚が集まって。
枕参り、通夜、告別式。
小さな身内だけの葬式が終わると、奏来ん家に残ったのは、オレと兄貴だけだった。
「聖ちゃんのお仕事や、翔ちゃんの学校休ませてしまって、ごめんなさいね。でも、もう終わったから。何もかも全て…」
おばさんはそう言うと、疲れた表情で熱いコーヒーを口に運んだ。
奏来の目に、もう涙はない。
黙ってオトばあが使っていた車椅子を力なく眺めていた。
葬儀屋が来てマニュアル通りの段取りを済ませ、親戚が集まって。
枕参り、通夜、告別式。
小さな身内だけの葬式が終わると、奏来ん家に残ったのは、オレと兄貴だけだった。
「聖ちゃんのお仕事や、翔ちゃんの学校休ませてしまって、ごめんなさいね。でも、もう終わったから。何もかも全て…」
おばさんはそう言うと、疲れた表情で熱いコーヒーを口に運んだ。
奏来の目に、もう涙はない。
黙ってオトばあが使っていた車椅子を力なく眺めていた。