ガラスのタンポポ
何故そんなに明るく振る舞うのか、カラオケに行きたがるのかわからない。


授業中もそればかりを気にして奏来を見ていたら、たまに目が合い、教科書の隙間から手を振って見せたりした。


昼休みになると、奏来を先頭にカラオケに行った。


「おもいっきり声出しちゃうからっ!今日はソラのオンステージ!!」


エリと一緒にはしゃぐ奏来。


普通の女の子なら、こんな風かもしれない。


けど、奏来は違う。


オトばあを亡くし、その傷も癒えてないはずだし、兄貴の話も引っ掛かる。


「ちょっと翔ちゃんっ!ちゃんとソラの声聞いてなきゃダメだよ?」


声が枯れるまで、奏来は歌い続けた。
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