ガラスのタンポポ
そこには。


長い髪を肩程の長さに切り、前にも増して痩せた奏来がいた。


「奏来…?」


「………」


「奏来、どうしたんだよ?髪は?また痩せたか?何があった?」


「………」


奏来は微笑むだけで、何も答えてくれない。


「翔、落ち着け。まず話を聞くんだ」


「っるせーよ!だから奏来に聞いてるんじゃないかッ!!」


「翔、答えられないんだよッ!奏来には…奏来には、もう声がない…」
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