ガラスのタンポポ
『あー、そー、ぼっ』


『聖(せい)ちゃんっ!翔ちゃんっ!』


『あら、まぁ。今日も2人揃って仲のいいこと』


そう言って、オトばあも奏来も俺達を見比べて笑うんだ。


向かう先は、決まって近所の公園で。


年の離れた俺だけ、木陰でサッカーボールを転がす。


同じ年で遊ぶ友達なんて、いくらでもいた。


それでも、奏来のくるくる笑う大きな瞳が好きで。


飽きもせず、3人の姿を眺めていたんだ。


『ハイッ!聖ちゃん!!』


そう言って奏来は俺に駆け寄り、出来上がったかんむりを差し出すんだ。


照れながら、小さな奏来の手のタンポポのかんむりに手を伸ばす。


伸ばすと…。


そこで、この温かな夢が途切れるんだ。
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