ガラスのタンポポ
コンビニを出て、また手を繋ぎ家に戻ると、玄関に兄貴の靴があった。


「あ!聖ちゃん帰って来たんだっ」


繋いでいた手をたやすく放し、奏来はリビングで、


「聖ちゃん、おかえりっ!」


笑って兄貴を迎える。


この瞬間が怖い。


オレの手を放し、兄貴へ駆け寄る奏来。


そんな風にいつか「恋」や「愛」というカテゴリーで、兄貴を選ぶ日が来てしまったとしたら…。


オレは耐えられるかな。
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