ガラスのタンポポ
「なぁ、奏来?」


「何?翔ちゃん?」


「今日、おばさん家にいるんだろ?」


「うん、お仕事休み」


「ちょっと息抜かない…か?」


「?」


「今日、オレと出かけない?」


奏来は迷って長い睫毛を伏せる。


「でも…」


「オレからおばさんに言うよ」


奏来の家に戻り、おばさんにその旨を伝えると、喜んで承諾してくれた。


「奏来にはねぇ、言ってあるのよ。もっとお友達と遊びなさいって。おばあちゃんの事なら心配ないからって。なのにこの子ったら、毎日おばあちゃん、おばあちゃんでしょ?もっと高校生のうちにしかできない事たくさん経験してほしいのよ。翔ちゃんがそう言ってくれるならありがたいわ。ほら、奏来、出かける支度なさい」


それでも迷ってる奏来を部屋へ押しやり、


「女子高生らしくピチピチした感じにするのよっ。デートっぽく!」


わっ…!!


デ、デートですか!?


そう言われると急に照れる…。
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