ガラスのタンポポ
こうして、オレは毎日、昼休みの奏来の読者と弁当タイムを邪魔する。


で、放課後誘って毎日断られる。


わかりきっているけど、そうせずにはいられない。


奏来には友達がいない。


親友と呼べる仲間もいない。


作らないんだ。


中学に上がった頃から、奏来はそうしてきた。


休み時間になれば、クラスメイトの誘いを断って図書室に行ったり、体育の時間になれば保健室にこもった。


どの部活にも所属せず、放課後になれば真っ直ぐ家に帰る、それが奏来の日常。


オトばあの世話をする、それが奏来の日常。
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