ガラスのタンポポ
「ソラ、はめてみたいな…」


「ん?」


「指輪、はめてみたい…」


「うん。はめてやるよ」


黄色いキラキラが映えるように店の中じゃなく、太陽の下がいいと思った。


しばらく歩き、噴水のある公園のベンチに腰を下ろし、丁寧に箱を開ける。


そっと手に取り陽にかざしてみると、まるでガラスのタンポポのように煌めいた。


「奏来、手貸して?」


「う、うん…」


迷う事なく右手の薬指にはめてみたけど、奏来の指にはブカブカだった。


「フフッ…。ゆるいね?」


「奏来の手、ちっちゃいからな」


「んー…、でもいつでも持ち歩きたいなぁ」


「さっきの店戻って、どうにか加工してもらう?」


「うん…。あ、大丈夫!ソラ、家に帰ったら材料あるからね、ストラップにするっ!」


「ケータイにつけんの?」


「うんっ。毎日持ち歩けるでしょ?」


「そっか、いいな。ガラスのタンポポ、か」


「うんっ!ガラスのタンポポ!」
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