ガラスのタンポポ
「聖ちゃんのお仕事、大変だね?」


「いいさ、好きで選んだ仕事なんだから。それより臨時収入ゲット。奏来姫、ケーキバイキングにご興味は?」


「えっ!ケーキ?バイキング?」


「兄貴の金だ、使っちゃえっ」


「やったぁ!ケーキ、ケーキ♪」


前にチラッと情報番組で見たカフェへ足を向ける。


少し並んで待ってると、テラス席へ案内された。


奏来はいきなり6つもケーキを取ってきて。


「欲張り過ぎだ」と笑い合って。


また街をブラついて、奏来は手芸屋で新しいワンピース用の布地を買った。


遅い夕食はパスタで。


夜になると2人でプラネタリウムを見に行った。


移りゆく星々を眺めながら、いつしか奏来は眠りについていて。


起こさぬよう。


オレは。


そっと奏来の唇にキスを落とした一一一。
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