ガラスのタンポポ
橘は何か言いたそうだけど、なかなか話を切り出さない。


始業のチャイムまでもうすぐで、さっきまで弁当をつついていたグループも散っていく。


「橘?」


「あの…えっと…ごめんなさい」


「じゃなくて、話」


「うん…」


橘は深く深呼吸してオレを見上げた。


「あたし、天宮くんの事、ずっと好きでした…」


あ。


あぁ…告白、か…。


そういえば今まで何度かあったな、このパターン。


いつも奏来の事ばかりが気になるから、こういう女子の態度に鈍感なんだ。
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