ガラスのタンポポ
「なんで行ったらダメなん?」


「翔ちゃんは…。翔ちゃんはたくさん友達と遊びなよ」


「奏来がそうするなら、オレも遊ぶー」


「わかってるでしょ?うちにはおばあちゃんがいる」


「施設から帰ってくんの5時だろ?ラーメン食う時間ぐらいあるじゃん」


「行かない…」


寂しそうに小さな唇からこぼれる言葉はいつだって“否定”の答えだ。


「やきそばパン、食う?」


「いらない…」


それっきり何も言わず、介護書に目を落とした。
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