ガラスのタンポポ
「しょ…翔ちゃん…?」
奏来が少し驚いたような声を出し、大きな瞳でオレを見上げる。
「翔ちゃん…?」
「奏来はいい。悪くない。何もしなくていい。オレのここんトコロでずっと笑ってればいい。何も失くすな。長い髪も心も。オレといよう。今までとは少し違う形で。奏来は…奏来は今からオレのもの。いいだろ?」
「…わからないよ。ソラはソラ、翔ちゃんは翔ちゃんだもの…」
「違うよ。今から2人で1つなんだから。奏来はオレの彼女だから」
奏来は何も言わず、肯定とも否定ともとれない目の色をしていて。
ゆっくりと瞬きを1つしただけだった。
「…おばあちゃんが帰ってくる…。ソラ、帰らなきゃ…」
「うん、わかったよ」
鞄を取りに教室へ戻り、バスに乗って家に帰った。
奏来は何も言わない。
それでもオレは充分だった。
静かな雨の音が奏来の声に聞こえたから。
『翔ちゃん、ありがとう…』
奏来が少し驚いたような声を出し、大きな瞳でオレを見上げる。
「翔ちゃん…?」
「奏来はいい。悪くない。何もしなくていい。オレのここんトコロでずっと笑ってればいい。何も失くすな。長い髪も心も。オレといよう。今までとは少し違う形で。奏来は…奏来は今からオレのもの。いいだろ?」
「…わからないよ。ソラはソラ、翔ちゃんは翔ちゃんだもの…」
「違うよ。今から2人で1つなんだから。奏来はオレの彼女だから」
奏来は何も言わず、肯定とも否定ともとれない目の色をしていて。
ゆっくりと瞬きを1つしただけだった。
「…おばあちゃんが帰ってくる…。ソラ、帰らなきゃ…」
「うん、わかったよ」
鞄を取りに教室へ戻り、バスに乗って家に帰った。
奏来は何も言わない。
それでもオレは充分だった。
静かな雨の音が奏来の声に聞こえたから。
『翔ちゃん、ありがとう…』