ガラスのタンポポ
ひとりぼっちじゃない
梅雨。
今日も雨だ。
チラッと奏来に目をやると、お気に入りのシャープペンを走らせ、真剣に授業に聞き入っている。
あれから橘は休みがちで。
悪い友達ができたとか、援交をはじめたとか、色々耳に入ってきたが、そんな事はオレにとってどうでもいい事だった。
奏来に害を加える人間がいなくてせいせいした。
終業を知らせるチャイムが鳴って、オレはすぐに鞄に教科書を詰め、奏来の机に駆け寄る。
「翔ちゃん、HRまだだよ?」
「いいって。ホラ、帰るぞ」
渋々席を立つ奏来の手を引き、雨の中、1本の傘でバス停とは逆の駅の方向へ向かう。
今日も雨だ。
チラッと奏来に目をやると、お気に入りのシャープペンを走らせ、真剣に授業に聞き入っている。
あれから橘は休みがちで。
悪い友達ができたとか、援交をはじめたとか、色々耳に入ってきたが、そんな事はオレにとってどうでもいい事だった。
奏来に害を加える人間がいなくてせいせいした。
終業を知らせるチャイムが鳴って、オレはすぐに鞄に教科書を詰め、奏来の机に駆け寄る。
「翔ちゃん、HRまだだよ?」
「いいって。ホラ、帰るぞ」
渋々席を立つ奏来の手を引き、雨の中、1本の傘でバス停とは逆の駅の方向へ向かう。