ガラスのタンポポ
奏来はリビングに行き、すぐにオトばあの車椅子を押して戻ってきた。


おばさんも続けて、


「聖ちゃん、せっかくの休みなのに悪いわねぇ。お言葉に甘えて連れてってもらうわね」


「孝司、久しぶりの休みだねぇ」


オトばあにとって、今日の兄貴はおじさんらしい。


「あぁ、母さん。今日は1日みんな一緒にいられるよ」


「奏来がねぇ、とっても喜んでるの。孝司と休みの日に出かけたのなんて、いつぶりだろうねぇ。仕事は忙しいのかい?」


「まあまあだよ」
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