黒紅花
なぎは、ひさぎの顔を
じっと見つめる。

「何か、いつもの
 ヒサ兄じゃないね」

「いつまでも、同じ失敗を
 繰り返すほど、俺は
 バカじゃねえよ」

音の消えたテレビの映像を
見つめながら、なぎは言う。

「私は、まだ・・・
 
 ダメかも・・・
 
 すぐに
 温もり、求めちゃうよ

 そして、失敗・・・」

頼りない妹の声・・・

「お前にも
 自分の想い以上に
 想える相手
 
 大切な奴ができるさ」

手を繋いだだけで温もりを
 
感じることのできる相手に
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