黒紅花
愛しているのに・・・

悲しい・・・

私は家の前で、ひさぎが
迎えに来てくれるのを
待っていた。

ひとつ前のメール・・・

『駅まで行くよ』

『いいよ、迎えに行く
 チトセはおとなしく
 そこで待ってろ』

『じゃあ、待ってる
 早く
 ひさぎに会いたい』

今のメール

『もうすぐ着くぞ』

私の瞳に、貴方が映る・・・

「ひさぎ」

私は両手を上げて、大きな声
で貴方の名前を呼んだ。

普段着の貴方は、とても
お洒落で私は見惚れる。
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