黒紅花

言葉だけじゃ

そんな顔しないで・・・

その後は、お洒落なレストラン
で昼食をとる。

ひさぎは、がっつり定食
私はサンドイッチランチ。

「チトセ
 それで足りるのか?」

「うん」

少しずつ食べ進める、私。

「小さい口・・・」

ひさぎは、自分の唇の端に
指先で二度触れ、私に
合図を送る。

「ついてる」

「えっ、本当?」

ひさぎと同じ側の唇を
手の甲で拭う私。

「違う、こっち」

今度は、指先で拭うと
赤いケチャップが付いた。
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