黒紅花
だって見て、ひさぎの瞳

あんなにも、愛しげに
バイクだけを見つめるんだもん

さっきの言葉は、早くも撤回

彼女(バイク)に

妬いちゃいそう・・・

ひさぎは、以前のように
私にヘルメットを被せ
あご紐を締めてくれる。

「ありがとう」

緊張気味の私に、問う声。

「こわい?」

「ううん、大丈夫
 
 乗りたい」

「行こう
 
 俺の好きな場所に
 連れて行ってやる」

ひさぎの好きな場所・・・
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