黒紅花
貴方の背に両腕を回して
しっかりとしがみ付く。

走り出すバイク

加速するスピード。

でも、この間のように怖い
と思う気持ちは無かった。

ひさぎ・・・

貴方の事を信じているから
怖くなんてない。

この大きな背中が、私を
守ってくれる。

私は、ひさぎの肩に頬を寄せ
流れる景色を見つめる。

バイクを飛ばして辿り着いた
場所は、景色が見渡せる丘

ヘルメットを外した頬に
風が触れ、とても心地よい

「こんな場所

 あったんだね
 
 知らなかった、きれい」

私の肩を抱く、ひさぎ。
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